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中朝関係             (2017年5月27日)



「火星12号」新型弾道ミサイル
  北朝鮮の外交姿勢・言動が緊張を高めている。特に、5月14日に放たれたミサイルは、北朝鮮の発表によると中長距離戦略弾道ミサイル「火星12」型で、「すべての技術的特性が完全に検証され、新開発のエンジンの信頼性が実際の飛行環境で検証された」という。
 この日は、中国の習近平国家主席が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際会議初日で、多くのメディアは北朝鮮が中国のメンツを潰したと伝えている。
実際、中国の関心は、世界何か国から首脳が出席するかだった。日、米が代表を送ると決まった時には、最大級の国際会議になると胸を躍らせていた。さらに「世界的な晴れ舞台」に北朝鮮代表も招待することで、習近平主席は「中国が主張する対話路線」を全世界にアピールしる狙いもあったかもしれない。   
 それだけに、14日のミサイル発射は中国にとってはらわたが煮えくり返る思いだろう。14日のミサイル発射には中朝関係、中国の周辺外交ともいえる微妙な駆け引きがあったと思われる。
 CNNの報道によると4月20日、北朝鮮は核実験実施を中国に事前通報。これに対し中国は「核実験をしたら、中朝国境を封鎖する」と威嚇したという。北朝鮮からみると事前通報は譲歩だったが、意外にも中国は威嚇で応じた。この数年の核実験とミサイル発射で自信を得た北朝鮮は、もはや「従属」ではないとして「世界的な晴れ舞台」の日に、中国との決別を表明したのかもしれない。

 第二次大戦後の中国の周辺外交を検証してみると、中国には3つの原則がある、と指摘したい。
 @周辺に強大なパワーを持つ存在(国)の出現を食い止める。中越戦争は、この原則に沿って起こされ
  たといえるだろう。ベトナム戦争に勝利し、その統一ベトナムがソ連(当時)との友好関係を背景に
  カンボジアやラオスまで視野に入れた、敵対的な「インドシナ連合」を形成することは中国への脅威
  につながる。ベトナムのカンボジア侵攻でそれが現実化し、中越戦争(1979年)が始まった。
 A周辺国の弱体化を防ぐこと。弱体化すれば米国など西側勢力に付け込まれ、強い影響下に置かれる。
 B周辺国が「世界の火薬庫」になり、大混乱を引き起こすような事態を防ぐ、
である。
 これまで中朝関係は中国がA、Bを果たすことで相応の援助を続けたと思われる。いわゆる「北朝鮮緩衝地帯」論だ。北朝鮮が弱体化、崩壊し、米韓主導の朝鮮統一となれば、在韓米軍が中国国境まで押し寄せる。これは中国が避けたいケースだ。
 しかし北朝鮮は、イランのフセイン、リビアのカダフィ崩壊を参酌して、体制を守る究極兵器・核兵器保有を目指した。これは中国からみると目溢しでは済まされない。@に踏み込むことになる。中越戦争は「ベトナムへの懲罰行為」と称し軍事侵攻を開始したが、北朝鮮は核を持っている可能性があり、武力行使はできないだろう。
 武力行使ができなければ、強力な経済制裁だ。事実、石炭の輸入禁止処置をとっているが、実際にはさらに強力な圧力をかけているだろう。ただ、中国は国連安全保障理事会の決議に基づかない各国の独自制裁に反対したので、独自経済制裁を公表していない。中国から届く情報では中国国内にある北朝鮮関係の銀行口座を凍結したという。辛辣な処置だが、北朝鮮も引けないし、ロシアや中近東、アフリカへの接近を強めるだろう。

 朝鮮半島問題は新たな展開になっている。米国・トランプ政権の中国に対する強い圧力もある。これまで見られなかった中国の北朝鮮に対する姿勢は、それを物語る。朝鮮半島の安定と平和の最終的な合意まだには、まだ紆余曲折がありそうだ。












                                         









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