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香港返還20年           (2017年6月23日)




ビクトリア女王像
(1897年、女王の即位60周年を記念して建てられた)
  香港が英国から中国へ返還されてから7月1日で20年になる。その返還式の模様を現地で取材した。林立する高層ビル街に映える祝いのイルミネーション、市民の歓声…。メディアを通して世界中が歴史的瞬間に目を凝らした。あの高揚ぶりは、いまも忘れられない。
 あれから20年。いまの香港は、当時の晴れやかさは見られない。重苦しい空気が漂う。「1国2制度 」の形骸化が進んでいるからだ。
 「1国2制度 」とは、返還された香港を特別行政区とし、「資本主義と高度な自治」を認め、返還から50年間、制度を変えないことになっている。
 しかし、習近平政権は、「高度な自治」を侵し、親中派で固める香港当局を通じて「民主派」を締め付け、身柄拘束や排除が相次いでいる。2014年の「雨傘運動」を巡り、議員を含む9人が拘束された。
 また、香港立法会(議会)で香港独立を志向する議員2人が就任宣誓を無効とされ、民意で選ばれた2氏の議員資格が剥奪を免れない事態になっている。「『高度な自治』の名の下に、中国の中央権力に対抗することは許さない」というのが中国政府の基本的な姿勢である。

 香港島の中心部にビクトリア公園がある。イギリス統治時代に建造された公園で、その名はここに建てられたイギリスのビクトリア女王の銅像に由来している。
展覧会などさまざまな催し物が開かれ、また、日曜日になると外国から香港に働きに来ているフィリピンやインドネシアの労働者が憩いを求めて集まる場所で、何度か足を運んだ。
 香港の民主派にとってもこの公園は重要な場所である。しばしば香港当局・中国政府に反発する市民が公園を出発点にデモ行進を行う。
 6月4日は、中国で民主化運動が武力弾圧された天安門事件が起きた日で、ビクトリア公園で4日夜、民主派団体主催の大規模追悼集会が開かれた。

 今年も返還記念日の7月1日に合わせ、民主化を訴えるデモを計画していたが、香港メディアによると、公園の使用許可が初めて出なかった。親政府系団体がイベントに使うためという。記念式典に合わせての習近平国家主席が就任後初めて香港を訪れるとみられ、そのために「デモを抑え込む」という思惑があるのだろう。
  こうした動きに英国統治下で最後の香港総督を務めたパッテン氏が、香港で講演し「民主主義の実現と香港独立を混同してはならない」と述べ、独立の動きも批判した。しかし、民主派への理不尽な弾圧に対し「異質な国」と中国を見限った市民による「香港独立論」が聞こえてくるようになったのが現実である。












                                         









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