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国際河川・メコン川        (2017年7月9日)



モディ首相(右)を出迎えるネタニヤフ首相
(エルサレム・ベングリオン国際空港)
  妙な取り合わせ?――そう感じたのは、7月初めのインド・モディ首相のイスラエル訪問だった。インド首相のイスラエル訪問は1992年の国交樹立以来、初めてだった。
 ネタニヤフ首相との首脳会談で宇宙開発や農業での技術協力などで合意した。「歴史的訪問」の成果だった。
 実は両国には、これまで重要な「接点」があった。武器である。報道によると、イスラエルは、ロシアと米国に次ぐインドへの武器供給国で、軍同士も交流している。 高度な軍事技術を持つイスラエルは、インドが核実験(1998年)を行い制裁を受けた際も武器取引を続けた。この春にも、両国の企業が共同開発している防空システムを展開する契約を結んでいる。

 今回も会談後の共同声明で「ともにテロに苦しんでいる」として、テロ対策で協力を確認した。また、軍事協力を再確認し「防衛装備品の共同開発やイスラエルの軍事技術移転などに重点を置いていくことで合意した」という。
 こうした両国の防衛協力についてインド側は、「パレスチナ問題など敏感な問題を抱えており、これまで広報を避けてきた」という。両国は、目立たないように「軍事・防衛」で結びついてきたのだ。

 インドは、ヒンズー教徒が圧倒的に多いが、約2億人のイスラム教徒が住む。イスラエルと対立するイランとも友好関係を維持している。5月にはパレスチナ自治区のアッバス自治政府議長を招いている。バランスを配慮した「大国外交」をも感じさせる。
 インドの歴代政権は、イスラム教国が敵意を向けるイスラエルへの訪問を避けてきた。では、モディ首相がなぜイスラエル訪問に踏み切ったのか。

 モディ首相は今回、非軍事分野での協力も強調した。イスラエルは、通信機器、ハイテクや医薬品、医療機器ビジネスを輸出産業に育て上げた。軍事技術が貢献している。
 理工系の優秀な学生らが、軍の研究開発部門に配属され、それを活かして、起業するケースも多いという。一方のインドもIT(情報技術)分野の産業は目覚ましい成長を見せている。世界の企業からアウトソーシング(業務委託)やソフト開発を受託するビジネスが成功したのだ。
 しかし、国内経済の発展・基盤つくりは十分とは言えず、才能ある人は米国などに活躍の場を求めて出ていき、その地で貢献しているのが現実だ。
 イスラム教徒の反発が予想される中、インドが見せたイスラエルに対する重視の姿勢は、大国としての基盤の強化が「待ったなし」という状況を物語る。












                                         









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