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東ティモール          (2017年9月1日)




 今夏、東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議がフィリピンの首都マニラで開かれた。
 ミサイル問題で国際的な非難を浴びている北朝鮮の李容浩外相もASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議に出席した。南シナ海の問題を巡りさまざまな駆け引き外交が続いた。

 ASEAN発足50周年を記念する祝賀行事も行われた。また、就任したばかりの河野太郎外相の外交デビューや活発な二国間の外相会談が行われるなどテーマ、話題が多く、一連の会議はいつもより注目を集めたと思う。
 その中で目立たなかったが、東ティモールのASEAN加盟問題も忘れてはならない課題だった。
 東ティモールは、1975年、インドネシアの侵攻を受け、その支配下にあった。
 独立したのは、インドネシアのスハルト政権崩壊を経た2002年。東南アジア諸国の中では、経済規模は最下位、人口は約121万人で下から2番目の小国である。
 なじみが薄いが、太平洋戦争中に日本軍が軍事行動に出た地域でもあるこの小国は、これまでもたびたび、ASEAN加盟の意向を示してきたが、加盟国からは「国が小さく行政組織が未熟で、国際会議を主催できないのではないか」などその国力を懸念する声が出るなど加盟問題が先送りにされてきた。
 しかし、東ティモールという国をよく調べると「山椒は小粒でも…」の国であることが分かる。東ティモール政府は近隣海域で石油・天然ガスを採掘する外国企業から収益の一部を受け取り、国家基金にしている。報道によると、基金の残高は、約160億ドルにも達しているという。
 資源採掘のピークが過ぎ、枯渇の危機に直面していることで、資金が潤沢ないまのうちに新たな産業を育てたい、というのが本音だ。それには、ASEANなどとの緊密な協力関係が必要になってくる。

 今回の会議では、ASEAN創設50年の記念の年ということもあり、東ティモールの加盟がめられるかどうか注目されていたわけだ。しかし、結論的には加盟につながる大きな進展はなかった。
 ただ共同声明には「東ティモールがASEANの活動に参加することを歓迎する」との文言が入り、一応、前向きに加盟準備に協力する姿勢は示されている。

 東ティモールは、戦後、ポルトガルの支配が続いた。アジア諸国が相次いで独立する中、ポルトガルが手放そうとしなかった。ポルトガルにとってマカオと東ティモールは、わずかに残されたアジアの拠点だったからだ。この「出遅れてしまった国」がASEANの表舞台に立つ日を待ちたい。












                                         









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