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アジア欧州会議(ASEM)      (2018年10月22日)




第12回ASEM会議(10月18日ベルギー・ブリュッセル)
 アジア・欧州の53カ国・機関が参加するアジア欧州会議(ASEM)首脳会議が、10月18日と19日、ベルギーで開かれた。報道などによると、トランプ米政権が「米国第一主義」を掲げる中で、アジア・欧州間の協力を深めて成長持続の道筋を探った。
 欧州連合(EU)は、アジアとの自由貿易協定(FTA)のネットワーク拡大などの意向を示し、アジア重視を明確にした。また、北朝鮮を巡ってはすべての核兵器や関連施設の「完全かつ検証可能で不可逆的な解体」が確認されたという。
 これらの協議内容や議長声明に触れながら、「ASEMの変質」を感じた方も多いと思う。
 このASEMは、アジアを知るうえ、また、アジアと欧州の「力関係」を知る手がかりになる会議である。1994年にシンガポールのゴー・チョク・トン首相(当時)が「欧州・アジア間の対話強化を」と提案したのが始まりで、1996年にバンコクで第1回の会議が開かれ、アジア側からは東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と日本、中国、韓国が参加。欧州側からはEU加盟国などが参加した。
 首脳会議は、2年に1度、アジアと欧州で交互に開催されることになり、「旧植民地と旧宗主国が対等の立場になった」との指摘もされた。

 しかし、2004年から、ASEANの新加盟国であるカンボジア、ミャンマー、ラオスが参加するようになり、ASEMの場で紛糾する場面が多くなった。当時、ASEANの最大問題の一つは、ミャンマーの軍事政権への対応だった。ASEANは、「内政不干渉」が原則で、スーチーさんら民主運動家・政治家らに対するミャンマーの軍事政権の人権弾圧問題にはなかなか内部に踏み込めなかったのだ。
 人権・自由弾圧を重要問題と受け取る欧州側は、これを先送りするASEANの姿勢を「あいまいなアジア的融合」と批判を強めていた。ASEM会議は「欧州が人権問題などに後進的なアジアを説教する場」とも言え、ASEAN側は居心地がよくなかった。

 その状況も、ミャンマーが、民主化の方向に進んでから変化する。海洋での法秩序の確立、南シナ海における中国の拡張行為などに焦点が当たるようになったからだ。
 さらに今回のASEM首脳会議をみると、通商政策だけではなく、イラン核合意からの離脱など安全保障面でも距離が開きつつあるトランプ米政権との溝の深まりに苦悩し、アジアに活路を求めたいEUの思惑が浮かび上がるのだ。ASEMで取り上げられる問題、課題がASEANに限らず広く、深く、グローバルになってきた。ASEMは「世界を語る場」である。



                                         









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