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旧悪な社会・政治風土        (2018年4月10日)



朴槿惠 韓国第18代大統領
 韓国の李明博・元大統領が3月23日、検察当局に逮捕された。韓国の大統領経験者の逮捕は、これで4人目。収賄容疑ですでに逮捕されていた朴槿恵・前大統領には、4月6日、懲役24年の実刑判決が下され、度重なる国家の元最高権力者への厳しい裁断は、衝撃を与えた。
 いまや経済・貿易大国といってもよい韓国。冬季五輪も開催し、その高揚ムードの中で南北・米朝首脳会談も予定されている。韓国の外交・仲介力が評価されているこの時期に、元トップの「旧悪」をほじくる必要はあるのだろうか。そう思った方も多いと思う。

 李前大統領は、在任中に情報機関から約7億ウォン(約7,000万円)の裏金を高官を通じて受け取った疑いがもたれ、横領や脱税など容疑も浮かんでいるという。「権力者の犯罪」のオンパレードの感がある。

 わたしが新聞社のソウル特派員、外信部デスクをしていた時に起きたのが、軍出身大統領の逮捕だった。1995年末、全斗煥、盧泰愚両氏が相次いで逮捕・起訴された。この時も収賄の額が多額に上ったが、腐敗の摘発、というより「軍事政権の清算」に意味が込められていた。
 民主化をリードしてきた金泳三大統領(当時)が、「金融実名制」を抜き打ちに行い、架空・仮名の金融口座から莫大な不明朗金が見つかり、権力者の犯罪があぶりだされた。「民主社会建設のための痛み」という説明にも説得力があった。 
 
 今回の逮捕については、李・元大統領側は「保守政権に対する革新の現政権の政治報復」と主張し、与党は「(保守政権の弊害を正すとされる)積弊清算」と逮捕を正当化した。
 それぞれの言い分があるだろうが、そもそもなぜ、大統領の不正がひんぱんに起きるのか。一つには、大統領権限が大きく贈収賄の温床を生む、つまり金と情報が一手に集まる、という点だ。
 1期5年の任期制や権限縮小が憲法改正の論点の一つになっている。しかし、大統領や首相の権限が大きいのは、韓国だけが突出しているわけではない。それよりも韓国の社会・政治風土が影響している、と指摘する声が強い。
 家族や一族郎党の意識が強い韓国では、成功者は、そのサークルの面倒を見る。当然、金が要る。それをしないと「非情」とみられる。大統領となれば、一族郎党をはじめ政治家らがすり寄ってくる。

 その実情を熟知していた朴槿恵・前大統領の父の朴正熙氏は大統領時代、執務室がある青瓦台に「親族担当官」を置き、身内からの面会、申し出をシャッアウトしていたという。
 朴正熙氏は、「独裁政治」などと強権のレッテルを張られているが、「カネ」まみれではなかった。これが、歴代大統領を対象にした人気投票で常に上位にあげられる理由だ。「私事・私情におぼれるのは禁物」―トップにはこれが求められる。












                                         









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