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南方外交              (2018年4月25日)



 北朝鮮が米朝首脳会談の開催をにらみながら東南アジア諸国連合(ASEAN)域内で活発な外交的動きを見せている。北朝鮮と対立してきた韓国は、1980年代から1990年代にかけ、ソ連(当時)や東欧諸国、中国など社会主義圏に「外交の足」を伸ばし、国交正常化を果たした。それは「北方外交」と呼ばれ、朝鮮半島の統一を有利に進める布石でもあった。
 一方の北朝鮮。今回、まずASEAN議長国のシンガポールに外務次官を派遣した。韓国が「北方外交」ならば、こちらは「南方外交」といえようか。
 朝鮮中央通信などの報道によると、北朝鮮は、崔希鉄・外務次官を団長とする外務省代表団を3月末〜4月初旬にシンガポールに派遣。シンガポールでは4月末にASEAN首脳会議が開かれ、8月には日米韓なども参加するASEAN地域フォーラム(ARF)も開催される予定だ。
 北朝鮮批判を封じ込める事前根回しのための派遣か。
 また、インドネシアの元副外相や、タイ、フィリピンなど計7カ国8人による「アジアの著名人ら」の代表団が4月初旬に訪朝している。 
 この北朝鮮のASEANに関連した積極外交は、2000年7月のバンコクで開かれたARFを思い出す。この一連の会議を取材する機会があったが、閣僚会議に北朝鮮の白南淳外相(以下出てくる肩書は、いずれも当時)が出席した。
 北朝鮮はこのころから拡大外交を展開し、イタリア、オーストラリア、英国、カナダ、ドイツなどと相次いで国交を樹立している。バンコクのARFでは、北朝鮮の「動き」が焦点となり、河野洋平外相と白外相との間で史上初めての日朝外相会談が開催され、「共同発表」も出された。この時は、金大中大統領と金正日総書記による南北首脳会談が行われたあとで朝鮮半島に融和ムードが漂っていた。日朝双方は共同発表で「朝鮮半島における最近の肯定的な情勢を踏まえ、日朝間の過去を清算し、新たな善隣友好関係を樹立するとの意思を表明し、その早期実現のため互いにあらゆる努力を払うことで意見の一致を見た」としている。
 そしてこの年の10月、米国のオルブライト国務長官の電撃的な北朝鮮訪問につながっていく。米国の現職閣僚としては初の訪朝だった。その後クリントン大統領自身の訪朝も検討されたこともあった。

 昨年2月にマレーシアで金正男氏の殺害事件が起きて以降、北朝鮮とASEANは関係が冷却化していた。ASEAN各国は、国連の北朝鮮制裁に同調してきたが、そもそもインドネシアやベトナムなど北朝鮮の伝統的な友好国が多い。そこを舞台に、米朝首脳会談開催を潤滑油にしながら北朝鮮の「南方外交」は活気づき、さらに外交の足は伸びていくのか。












                                         









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