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日本の支援             (2018年5月8日)



フン・セン首相
 中国はシルクロードなどを視野に入れたグローバル経済圏構想「一帯一路」に力を入れている。関係国の対応には濃淡がみられるが、東南アジアでもっとも好意的に受け止めている国の一つはカンボジアだろう。
 カンボジアは、中国マネーを歓迎し、年7%の経済成長を続けている。リゾート開発でも中国のヒト、モノ、カネが注入されている。
 この中国カラーに染まった経済の実態を反映しているのがフン・セン政権の強権ぶりである。7月の総選挙を前に、野党勢力への圧力を強める一方、政権に批判的な英字紙に対して税務攻勢をかけるなど反対意見への「言論封じ」に余念がない。

 この「強権極まり」に対して、内戦終結後、カンボジアを支援してきた国際機関や欧米諸国から非難の声が上がるが、フン・セン政権は聞く耳を持たない様子である。 経済大国として台頭している中国との
経済関係緊密化により、欧米諸国からの援助の比重は低下し、対外的な遠慮がいらなくなった結果である。
 報道によると、フン・セン首相は今年2月、中国の支援でプノンペン近くに建設する橋梁の起工式で、“中国にべったり”という批判に反論するかのように「侮辱や脅しのほかに欧米諸国はわれわれに何かしてくれたのか」という趣旨のあいさつをしたという。
 
 フン・セン政権が中国をバックにして、民主化を後退させている実態を感じさせるあいさつである。しかし、ここで見逃してはならないのは、フン・セン政権がやり玉に挙げているのは欧米であり、日本ではないという点だ。カンボジア社会では「インフラ投資では中国、民間支援は日本」が定着しているのだ。

 カンボジアなど東南アジアでは、日本のNGO(非政府組織)の団体が活発な支援活動を続けている。政府開発援助(ODA)も国作りの大きな支えになってきた。
 ODAは、国際紛争で直接的な武力行使をしない日本にとって存在感を示すエネルギー源である。日本の援助額は、1989年に米国を追い抜き、世界最大となったが、財政再建の一環として削減を迫られ、米・英・独・仏に追いつかれ、追い抜かれた。それでも、この地域で積み重ねてきた実績は評価されてよい。 相手国の事情に配慮しながら「安全・信頼・技術」をモットーに支援してきたという実績である。ポル・ポト政権を倒したヘン・サムリン政権が樹立されたのは、1979年。約40年が経つが、その直系のフン・セン氏が首相にのぼりつめ、権力を握り、強化する過程だったといえる。

 カンボジア和平をはじめ、この間、日本は復興支援・経済成長に関してさまざまな支え役を担ってきた。欧米諸国が軽視されればされるほど、民主国家としての日本の役割・存在は大きくなる。その認識を確認したい。












                                         









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