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米朝首脳会談とシンガポール     (2018年6月18日)



首脳会談が行なわれたカペラ・ホテル
 米国のトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談が、6月12日、シンガポールのセントーサ島で開かれた。双方は、米国が北朝鮮に「安全の保証を提供」し、北朝鮮は「朝鮮半島の完全な非核化に対する揺るぎない約束を再確認」する共同声明に署名した。
 国際社会が注目していた北朝鮮の「完全(Complete)かつ検証可能(Verifiable)で
不可逆的(Irreversible)な非核化(Denuclearization)/CVID」は共同声明に盛込まれなかった。
 セントーサ島とその周辺に各国から多くの記者が集まった。国際的な関心を呼んだ首脳会談は「世紀の外交ショー」と皮肉めいた指摘もあったが、一時は、「戦争状態に突入」の気配さえあった米朝間で、両首脳が直接会い、友好ムードが漂ったことは評価すべきだろう。 
  調べてみると、「セントーサ」は、マレー語で「平穏」を意味する。かつての名称は「ブラカンマティ島」。「Island of Death from Behind」、「後ろからの死の島」、「死の後の島」という意味で、マラリアが流行して多数の死者が出たことや流刑地でもあったことから、そう呼ばれたという。日本とも関係がある。太平洋戦争時、1942年、日本軍がシンガポールへ進撃し、捕虜収容所を作ったのがこの島だった。

 会談の開催地になったシンガポールのリー・シェンロン首相は、政府が警備費など約16億円の費用を払う「太っ腹」をみせた。「そこまで負担しなくとも」との指摘が一部でなされたが、これがシンガポールの外交戦略の一環だと感じた。
 シンガポールは「東南アジアのクェート」のような存在、に思える。小国なのにクェートは、石油に恵まれ繁栄を謳歌してきた。周辺の貧しい国から妬みやそねみを買いがちで、サダム・フセイン政権時のイラクが侵攻した背景の一つにそれがあった。
 シンガポールも周辺国に比べ、突出した豊かな国だ。周辺国にフセイン氏のような攻撃的な指導者が現れ、ちょっかいを出してくれば国難につながりかねない。
 そこでシンガポールが考えたのは、周辺国に技術と資本を提供し、リゾート開発、産業開発を共同で進めることだ。実際にインドネシアやマレーシアで事業が進められている。それともう一つは、国際会議・セミナーの誘致である。米国の高官は、しばしば「航空アクセスをはじめ都市インフラなどシンガポールは、世界でもっとも国際会議を開くのに適した国(都市)」と説明している。世界から重要人物が集まり、国際会議がひんぱんに開かれる場所を武力侵攻する国はそうあるまい。

 北朝鮮は、希少金属の宝庫でもあり、リゾート開発にふさわしい豊かな自然資源も残されている。投資対象にとしてもうってつけだ。「16億円は高くない」。












                                         









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