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ペンタゴン・ペーパーズ       (2018年8月28日)



(C)Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.
 ベトナム戦争は、米国、韓国、日本などが南ベトナムを直接・間接支援し、一方、中国、ソ連(当時)、北朝鮮などが北ベトナムを支えた。米国をリーダーとする自由主義陣営と、ソ連を盟主とする社会主義陣営との間において、第二次世界大戦後に生じた「冷戦」を背景とした代理戦争でもあった。
 結局、米軍が撤退し、1975年4月、南ベトナムの首都サイゴンが陥落、北ベトナムの勝利によって戦争は終わり、南北が統一されていく。

 最近、このベトナム戦争をめぐる米政権と米メディアによる「報道をめぐるもう一つの戦い」を描いた米国映画を見る機会があった。メリル・ストリープさんらが出演する映画「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」(スティーブン・スピルバーグ監督)である。
 流出したベトナム戦争に関する機密文書を公表するか否かの決断を迫られるワシントン・ポストの女性社主の姿が描かれた。主演の社主役がストリープさんだ。
 1971年、ペンタゴン(米国防総省)が作成していた極秘文書が流出。それをライバル紙のニューヨーク・タイムズ紙がスクープ。ワシントン・ポストは、編集主幹を中心に、調査を開始する。
 しかし、当時のニクソン政権は、「国家の安全保障を脅かす」としてニューヨーク・タイムズに記事の差し止め命令を出す。その中でワシントン・ポストは、政府の圧力に屈し、掲載を控えるか。トップにゆだねられた判断は――というのが映画のあらすじだ。結局、裁判において、政権は記事の差止めを行うことは出来なかった。

 いま、検証すると、ベトナム戦争は宣戦布告がなく、いつ始まったのかがはっきりしなかったところがある。北ベトナムが支援する「南ベトナム解放民族戦線」が結成された1960年とするか、北ベトナムのトンキン湾で米駆逐艦が攻撃を受け、米軍が本格介入する1964年とするかなど「戦争開始」の規定に諸説あった。
 この「宣戦布告なし」のあいまいさもあって米国は、軍事・派遣兵力の増強とずるずると戦争にはまりこみ、米国民の間に疑問や反戦の機運が高まっていった。映画は、その時期のワシントンが舞台だった。

 問題の秘密文書・ペンタゴン・ペーパーズには、戦争を拡大させたケネディ、ジョンソンの両大統領政権下の米国の政策とトンキン湾事件などの秘密工作も収められている。国民の思いとは裏腹に戦争が泥沼化、米軍が深く介入していった過程が明らかにされているのだ。
 それを暴露した新聞と報道の自由を守った米社会。いま、トランプ政権の米国やカンボジアなど東南アジアや東アジアでも言論・表現の自由を尊重しない動きが懸念されている。その風潮に映画「ペンタゴン・ペーパーズ」が刺激を与えている。












                                         









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