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食文化               (2018年9月27日)



引き取った犬「トリ」を抱く文在寅・韓国大統領
(2017年7月26日大統領府撮影)
 国によって食文化は、異なるケースが多い。アジアの国々を訪れる際、「庶民の胃袋」といえる市場をのぞくことにしている。バンコク勤務時代、ASEAN(東南アジア諸国連合)関連の重要会議が開催された
ベトナムのハノイでのことだった。
 会議の合間にタイ人の女性スタッフと一緒に市内の市場に行ってみた。店の軒先に食用の大きな「裸の犬」がだらりとぶら下がっていた。この女性スタッフは、絶句して身動きしない。
 タイの自宅では、ペットの愛犬がいるという。しばらくして「信じられない。食べるなんて」とその場を逃げ出した。よほどのショックだったのだろう。

 最近、ハノイ市当局は、「犬や猫を食べないで」と、市民に求める通知を出した。
外国人旅行客らの拒否感が強く、ハノイのイメージダウンにつながるほか、狂犬病などの感染症が広まるリスクがあることを通知の理由にしている。やはり、この女性スタッフのように嫌悪感・拒否感を抱く人が多かったのだ。
 わたしの経験では、犬肉はベトナムのほか中国の一部、ベトナム、朝鮮半島の市場などで売られている。しかし、この食文化は、その習慣を持たない国から問題視されてきた。
 
 以前、駐在していた韓国では、ソウル五輪(1988年)の際、欧米諸国からの批判が高まり、それをかわすため、その専門食堂が大通りから裏通りに移るなどの対策が取られた、と記憶している。
 2002年の日韓サッカーワールドカップの際にも、再び、この問題がクローズアップされた。
  それでも犬肉愛好家が多く、暑気払いのため滋養食として食べる習慣は続いてきた。
 この韓国でもハノイと同じように犬肉愛好家を驚かせるニュースが流れた。報道によると、文在寅大統領の愛犬「トリ」が食用犬肉反対イベントに参加したという。この犬は、前の飼い主に虐待を受け、動物愛護団体に保護され、昨年5月、文氏の大統領の就任とともに、統領府で育てられてきた。
 イベントの主催者によると、事前に大統領府を通じてトリの参加を要請していたという。大統領もお墨付きのトリの参加である。

 日本でも欧米諸国から非難の的になっている「クジラ」の捕獲・食用問題がある。食の伝統を守るか、「世界の目」を気にして食べるのを避けるか――その選択は難しい。ただ、東南アジアや東アジアでは、経済成長・所得増加により、生活のゆとりにより犬や猫をペットで飼う家庭が激増した。
 その食用について「ノー」という人も増え、今後も、その声は強くなる一方だろう。当局は、海外からの批判・拒否感を気にするよりも、厳しい「国内の目」の方を重視せざるを得なくなってきたようだ。













                                         









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