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#4  展望の見えない日朝関係




銀河3号

 宇宙衛星ロケット「銀河3号」(国際的には「弾道型長距離ミサイル」だが)の打ち上げから3回目の核実験声明で北朝鮮は重大な選択をしようとしている。中国を含む国際社会の強い警告をも無視して強行するのか。
 筆者は強行説をとる。核実験をやった上で金正恩体制はこんどはかなり思い切った柔軟路線、経済再建の大号令を発するのではないか、とみる。宇宙衛星、核保有国という国力を内外に誇示し、その大パワーを経済再建に向ければ出来るのだ、という「強大国家論」を打ち出すのだろう。

 国際世論が北朝鮮の核実験で沸騰すれば、日本政府の要求する拉致問題の解決はすっかり後景に退いてしまうだろう。元々拉致問題に関する日本国内の世論と国際世論との温度差は大きい。とりわけ、中国、北朝鮮、韓国とは戦争責任、歴史認識の問題を抱えている上によりホットな領土領海問題を抱えてしまった。彼らの目からすれば、日本は過去の侵略加害者としての責任を潔く認めず、ときに前言も翻す国と映る。冷静、客観的にみて、アジアのなかで過去の侵略戦争の責任という重大な負の遺産を背負ったままその清算には手をふれず拉致問題をいくら声高に相手側に叫んでも実質進展は難しい。 (※2013年2月5日記)
 2月12日、北朝鮮は予想通り核実験を強行し、「小型、軽量化した原爆をつかった地下核実験」と北側は発表した。さらに第4回目、5回目の核実験や「銀河9号」まで長距離弾道ロケット発射を続けていくとの姿勢を見せている。あとはその時々の内外の状況を読みながら、どう決断するのか、筆者は、北朝鮮は今後かなり柔軟姿勢に転じ国際社会に対処していく、とみる。
 小型核兵器を1万キロ飛ばす技術、能力を世界に示すという目標は達成したわけで今後のさらなる核実験、長距離ロケット発射は、米国、中国等の反発、国際的圧力の増加を招き、「費用対効果」の原理を考慮せざるを得ない。北朝鮮の指導部はそこを冷静、客観的に分析して判断を下していくだろう。

 一方、日本側は在日朝鮮学校への補助除外や祖国訪問(訪朝)した総連幹部の再入国禁止といった独自制裁を発動させた。この独自制裁はなにを目的としているのか。北朝鮮を窮地に追い込み、核を放棄させるためか、それとも、拉致問題のテーブルにつかせるためか。どちらも客観的にみて、その可能性はない。そして、もし北朝鮮が核実験を4回目、5回目とやるなら、そのときの「更なる独自制裁」の中身は何になるのか。朝鮮総連、在日朝鮮人への締め上げ、弾圧に向っていかざるを得ないだろう。日本社会に朝鮮人敵視の風潮を作り、煽るだけではないかと、非常に危惧している。 
 





   (アジア・ウオッチ・ネットワーク代表 宇崎 真)  
















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