本文へスキップ

アジア・ウオッチ・ネットワークはアジアに幅広取材アンテナを張ります。

アジア・ウオッチ・ネットワークAsiaWatchNetwork


メニュー訪 朝 記

Extra#20   凧と風船



2月のカレンダー












 北朝鮮は、「近くて遠い国」と言われて久しい。2002年9月の日朝首脳会談で「近くて近い国」になるかと期待したが、現実には不信の連鎖が止まらず、歴史上最悪の関係に陥ってしまった。いま、北朝鮮は「一番遠い国」かもしれない。
 北朝鮮は昨年末からエボラ出血欠熱の感染防止策を強化した。北朝鮮への入国は困難を極め、北朝鮮から届く情報も激減した。米朝関係も緊張が高まっている。この状況から「北朝鮮国内は重苦しい空気に包まれている」と思ったが、全く逆の話題が平壌から届いた。

 北朝鮮では連休は極めて少ない。日曜日と祝日がつながって、連休は2日間というのが一般的だ。しかし、今年は旧正月が2月19日だったこともあり、2月15日の日曜日からほぼ1週間(16日は金正日総書記誕生日)の連休になった。
 天気も穏やかな暖かい日が多かったようで、市民は一週間の連休を堪能したという。
 連休を一番楽しんだのは子供たちだった。民族衣装を身につけ着て凧揚げとチェギ蹴り(石などを紙や布で包み、バトミントンの羽のようにしたものを足で蹴り上げる遊び) 、縄跳びをする子どもの姿が街の至る所で見られたという。平壌市内の金日成広場は、民俗遊戯を楽しむ数千の子供たちで埋まった。
 普通川区域セゴリ高等中学校に通うシン・ジョンシムさん(15歳)は、「民俗遊戯を楽しむ旧正月は楽しい。こんな祝日がもっと多かったらどんなにいいだろう」と話した。
 子どもたちが熱心だったのは「凧揚げ」だった。「凧揚げ」は旧正月の民俗遊戯競技の中でも、皆が熱くなる競技だという。ある子どもは「南北統一」と書いた凧をあげていた。「この凧を南(韓国)の子どもに送りたい」と話した。
 北朝鮮の関係者からこの話を聞いたとき、韓国が飛ばし続けている北朝鮮を誹謗・中傷する「風船ビラ」への温和な対抗策かと思った。南からの放たれる風船ビラに対して、北朝鮮は「統一凧」を空に揚げる。
風船も凧も子どもたちが大好きな遊び道具だ。子供たちの無邪気な遊び道具を政治に絡めることに胸が痛くなる。

 3月に入り、北朝鮮が実施してきたエボラ出血欠熱の感染防止策も殆ど解除された。西アフリカからの入国者のみ3週間の監視期間を設ける、という内容に変わった。北朝鮮は観光客の受入れの扉を広げた。
日・韓のメディアが伝える北朝鮮情報は、フィルターがかかったようで事実を捉えていないことが多い。観光といえども、自分の眼で見ることも大切だと感じる。


(AsiaWatchNetwork 小堀新之助)












Photo


ビデオ









アジア・ウオッチ・ネットワークAsia Watch Network

Bangkok, Thailand