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Extra#23   運動会と競争精神







ホン・ソルチュ先生


チョン・ヒャンさん







 日本の小・中学校の運動会は様変わりしてきた。学校によっては徒競走などで、「平等」の観点から順位をつけず、子供は手をつないでゴールする、という。こうなると、運動会ではなく「仲良し会」ではないか。

 北朝鮮の小中学校でも春と秋の2回、運動会が開かれる。南北関係は好転する気配がなく、日・米との関係も対立状態が解消されていない。その社会環境で行われる運動会である。日本のよう“優しい”運動会ではない。競争力、協力、連帯感、団結力などを養う場でもある。
 平壌市内の普通江初級中学校でも春の運動会が行われた。「普通江」と「大同江」のチームに分かれ熱戦が繰り広げられていた。北朝鮮のスポーツブームを反映して今年は特に白熱した競技が多かった。
 教師暦7年のホン・ソルチュ先生(28歳)は、「運動会に対する生徒たちの関心がとても高い。今年はかなり前から、運動会はいつですかという生徒たちの質問が多かった」と話す。
 普通江初級中学校の生徒が一番熱中する競技は、クラスメートが足を紐で縛り一緒に前に進む、「百足(ムカデ)競争」だ。協調と団結力を競う競技で、運動会が終わると、クラスの団結力と競争心がいっそう高まる、と教師は言う。
 「百足競争」で1位となった3年生のチョン・ヒャンさん(13歳)は、「4月に入って春の運動会の日を指折り数えて待っていました。クラスメートが力を合わせて競技で勝つたびに、クラスの団結力が強くなったと感じます」と誇らしげに胸をった。実はチョン君、去年までは運動嫌いだった。しかし、昨今のスポーツブームに遅れまいと今年になって暇さえあれば校庭でスポーツに励んできた。

 北朝鮮ではいま、チョンさんと同じように運動嫌いから一転してスポーツ少年・少女に転身した子供を多く見かける。普通江区域に住むハン・ヨンランさん(40歳)さんの息子も、どちらかというと「がり勉」タイプで運動は苦手だった。父親は鴨緑江体育団の副団長を務めるスポーツマンだが息子は運動に興味を示さなかったという。
 これからの北朝鮮社会では勉強だけでなく運動も重要だとして心配が絶えなかったが、今では積極的にスポーツに取組んでいる。 放課後、校庭はスポーツを楽しむ生徒で埋まる。近年、国際大会で活躍する北朝鮮選手が多くなってきた。

 一方、日本政府は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた選手強化、スポーツを通じた地域振興や国際交流に取り組むため、スポーツ庁を今年の秋に設立する。それも結構だが、「運動会は仲良くゴールイン」ではなく北朝鮮のように運動会で集団力と競争力を培うのも一案と思う。



(AsiaWatchNetwork  小堀 新之助)











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