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Extra#26         環境に優しい平壌・トロリーバス









トロリーバスの運転手、キムソンチョル(38歳)さんは
「新型車は高性能で運転が楽です」と語る



 日本の若い人たちは「トロリーバス」を知っているだろうか。路面電車とバスの長所を取り入れた乗り物で、日本では1972年まで横浜で走っていたものが最後の都市トロリーバスとなった。
 路面電車のようにレールを敷設する必要がなく、電動走行なので、直接排気ガスを出さない。しかし、レールの代わりに架線が必要で、その敷設や維持のために費用と時間がかかる。架線が景観を損ねるうえに、トロリーバスを優先して運行すると交通量の多い道路や幅の狭い道路では渋滞を招くことから、姿を消した。
 日本では「立山黒部アルペンルート」で運行されているが、これは自然環境への配慮と、トンネルト内の排気問題から排ガスを出さないトロリーバスが選ばれたようだ。

 海外をみると、中国やロシアなど旧東側諸国では現役で活躍している。アメリカ国内でも観光地を中心にトロリーバスがあるが(ワイキキ・トロリーバスなど)これらはレトロ調の車体を使用したディーゼルエンジンまたはガソリンエンジンで走行するバスである

 北朝鮮の首都・平壌は路面電車、地下鉄、バス、タクシー、そしてトロリーバスが公共交通機関として市民の足になっている。電力が逼迫した1990年代の後半には立ち往生したトロリーバスをよく見かけ、街のお荷物的な時もあった。
 しかし今、排ガス規制が強まるなか、脚光を浴びるようになった。平壌の各路線に次々と新型がお目見えし、街の風景を一新させている。
 新型のトロリーバスは旧型より車体が長く、座席の数も大幅に増えた。新型車体もスマートで軽快な印象だ。車内も明るく、冷暖房が完備され座席の座り心地も良く、市民に好評だ。窓も大きくなり街並みを眺めながらの移動は快適で、通勤・通学も楽になったという。
 平壌トロリーバス工場の技術者は、「新モーターの開発に成功したため、故障も極端に減り、運行の安全性が高まった」と胸を張る。新型の生産計画は年間数百台を目標にしている。
 工場幹部は、市民の意見を聞き、より便利な、快適な車体設計を進め、近い将来には平壌では、全部、新型車両に代えるよう製造能力を高めたいという。

 「瓢箪から駒」といっては失礼だが、平壌はトロリーバスが残ったことで、世界でも有数の都市環境に優しい街になるのかも知れない。



(AsiaWatchNetwork  村上 知実)











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